Fostex FX120 を使ったTLSの作成

ヤフオクで、中古の高性能12cmフルレンジユニット FX120 を入手しました。


どんなボックスにしようか色々考えてみました。

標準のバスレフ、あるいはダブルバスレフかとも思ったのですが、

ここは、TLS(トランスミッションライン)で行ってみようかと決めました。


まず、いろんな条件でシミュレーションして見ました。

それで、気に入ったものを使います。


私が選んだのは、ポート長740mm、入口開口半径99mm、出口開口半径26mmです。


左側が吸音材少なめ、右側が吸音材普通の場合の周波数特性になります。

この中間ぐらいで、吸音材やや少なめがいいんじゃないかと思います。

実際には、音を出してみて調整することにします。


次に、この寸法を元にボックスを設計します。

ひな形は、以前に MarkAudio の Alpair5 という8cmユニット用に、

紹介されたものを使います。

これを、アレンジして希望の寸法に合わせていきます。


左側がオリジナルの図面で、右側が FX120 用に修正をしたものです。


 

これで図面が決まりましたので、次は合板からの板取図を作ります。
今回は、合板ではなくて 15mm厚の MDF で作ることにしました。

 

側板は、奥行方向に 1mm 長くしてあります。

ボンドの接合にも若干の厚さがあるため、ピッタリの寸法では

側板の奥行が微妙に足りなくなるためです。


また、バッフルは4枚取ってありますが、

二重バッフルにして、他のユニットでも使えるようにするためです。


詳しく言うと、下側のバッフルにはスピーカーの開口部を大きめに開けます。

また、吸音材の出し入れがしやすいように、開口部下にも四角く穴を開けます。

これは、ボンドでボックスに接着します。


上のバッフルは、スピーカーにあった開口部にして、

ユニットを取り付け、木ねじ等で取り付けます。


こうすることで、上側のバッフルを作れば他のユニットでも

使えるようになります。


板取図の作成は、Excel でマクロを作って作成しました。

下のようになります。

さて、次は制作です。

板取図をホームセンターへ持って行って、

板を買い、図面通りにカットしてもらいました。

少し遠いのですが、大きなホームセンターでは、

私の感覚では、カット精度が高くて、+-0.5mm位です。

近いところの小さなホームセンターだと、精度は+-1mm位あります。


穴あけや、アール加工などは、自分でします。

それが済んだら、ケガキをして組み立てに入ります。


組立途中の写真があります。下のようになってます。


もう一方の側板をボンドで接着して乾燥させたら、

ほとんど完成です。


あとは、仕上げです。

私は、木工用のみつろうクリームで拭き上げました。

配線をして、端子とユニットを取り付ければ、

はい、完成です。


アンプに接続して、音だしです。

低音は、思ったほど強調されなくて、調度良い感じです。


メーカー発表の周波数特性図を見ても分かりますが、

ほんとに平坦で、どこかを強調したり、あるいは凹みがあったりせず、

音量を上げても、ボーカルが聴きやすいです。


ちょっと聴くだけだと、なんだか詰まらないようにも感じますが、

長く聞いていても疲れない、素直な音です。


下に、メーカー発表の周波数特性図を上げておきます。